つい先日、「初乗り運賃500円認めず」のタイトルが目につきました。
大阪府内の初乗り500円の継続申請をした個人業者(個人タクシー)9人に対し、近畿運輸局は8人へ対しては値上げを指示したものです。10月のタクシー特措法施行後初のことでした。
値上げ指示の理由について、
”初乗り500円で適正な収支が成り立つかどうかを審査。その結果、1人は継続を認めたが、8人については20日付で550~660円が妥当と判断、通知した。これまで、審査対象は実質的に「適正な原価のみ」であったが、10月以降は「適正な利潤」も重視している”
とのこと。
つまり、原価割れに問題視されている乗務員の長時間労働の防止や車の安全維持を考慮すると申請の運賃では妥当ではないと判断されたようです。(乗務員の健康ももちろんそうですが、道路旅客運送業で働く限り車両の安全性確保は最重要)
先月13日には、来年1月22日に期限が切れる”下限割れ運賃”を継続するため、福岡交通圏の福岡エムケイが九州運輸局に再申請したばかりなのでこちらの判断も気になるところです。
さて、この初乗り500円のワンコインタクシー。
大阪府内では、およそ20,000台うちの1割がワンコインタクシー。
なぜワンコインタクシーこれほど目立っているのか。
利用者からすると、安くタクシーを利用できればそれに越したことはないはずです。
しかし、
- 利用者は、乗り場では順番に乗車をせざるを得ないので、安心して利用できるよう運賃の統一が必要。
- 明らかに”原価割れ”な料金設定。タクシーの原価構成の7割は人件費。設定の運賃ではそもそも経営が成り立たない。そのしわ寄せは乗務員など社員に寄せられる。
などが言われています。
当然、ワンコインタクシー側の主張としては
- 消費者は、安くてサービスが良いタクシー会社を望んでいるはず
- 運賃が安くても経営努力により人員と利用者、車両の安全を確保できる。
しかしながら、今年9月の大阪地裁にて”大阪エムケイに未払い賃金支払い命令 「根拠ない控除は違法」”とされた判例があります。
つまり、この「経営努力」が適正な利潤と判断されなかったことがあります。
法令に準拠した形で経営努力をし、ワンコインで利用者も事業者も乗務員も満足できる構造であればとても素晴らしいサービスなのですが…。
特措法施行の流れからの値上げ指示のニュース、そしてエムケイの運賃再申請。
運賃の問題はこれから目が離せません。